清宮海斗(25)が、異色タッグの中でひときわ輝きを放った。

10日、王者HAYATAから直接挑戦者に指名されたNOSAWA論外が「前哨戦くらいは俺の組みたい相手と組ませろ」と要求。博多大会(30日)でのGHCジュニアヘビー級選手権試合の前哨戦となったこの日のセミファイナルで、敵対関係同士のタッグバトルが実現した。

だが、案の定、タッグは仲間割れにより早々と分裂した。HAYATAがNOSAWA論外をコーナーに押し込むと、味方のはずの小川が「HAYATA、もっと絞れ!」と応援。中盤からは、場外場内を問わず同組同士で乱闘を起こすなど、もはや収拾がつかない状態に陥った。

そんな中で1人、清宮が集中力を発揮した。丸藤とのマッチアップでは技の読み合いを制し、ヘッドロックやチキンウイングフェースロックなど、得意の関節技を披露。ギブアップこそ奪えなかったが、「(今後へ)大きく踏み出せるんじゃないかと思う相手」と話した前GHCヘビー王者を追い詰めた。

15日の仁王戦では「ここで足踏みしていられないよ!」と晴れ晴れした表情で話した清宮。つかんだ手応えを、混沌(こんとん)とした試合の中でも、しっかりと体現してみせた。【勝部晃多】