鷹木信悟(38)が、高橋裕二郎と両者リングアウトで引き分け、史上3人目となるIWGP世界ヘビー級王者でのG1制覇を逃した。

まさかの幕切れだった。序盤から、脇腹のケガを感じさせない力強い攻撃を繰り出し、ここまで1勝(不戦勝は含まず)の相手を圧倒した。だが、13分を迎えたところで落とし穴が待っていた。ピンプジュースを受けてリング外にたたき出されると、場外戦が突発。デスバレーボムを見舞い、リングに戻ろうとしたが、もう1歩のところで足を引っ張られ、ついに生還できなかった。

この瞬間、優勝決定戦進出の可能性が消滅。リングをたたいて悔しがると、場内のファンへ「スマン!」と手を合わせて謝罪した。

無念は表情に表れていた。眉間にしわを寄せてバックステージに現れた王者は「言葉が出ないね」と何度も繰り返すと「言葉の通り足を引っ張られたよ。裕二郎とは二度とやりたくない」と悔恨。「チクショー!」と足早にバックステージを後にした。

13日の試合後「最後まで何が起こるか分からない」と話していたが、鷹木のG1は波乱の結末に終わった。【勝部晃多】