オカダ・カズチカ(33)が14年大会以来7年ぶり3度目のG1制覇に王手をかけた。

Bブロック最終戦で、首位争いを繰り広げてきた宿敵ジェフ・コブとの直接対決を得意技のレインメーカーで仕留めた。21日の優勝決定戦(東京・日本武道館)では、18日、一足先にAブロック1位を決めた飯伏幸太と対戦する。

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初優勝を狙ったジェフ・コブは、引き分け以上で突破が決まる有利な条件だったが、最後にレインメーカーに屈した。

オカダを軽々と持ち上げ、リング上を走り回り、投げ飛ばした。今大会を象徴する戦いを貫いたが、勢いを止められなかった。9月4日メットライフドーム大会で勝利した際に「雨は止んだ」と豪語していたが、因縁の相手に終止符は打てず、またカネの雨を降らせてしまった。

4勝5敗と負け越した昨年の大会後にO・カーンらのUNITED EMPIREに加入。環境が変わり「去年のコブとは全く違う。恐ろしいモンスターだ」と迫力とパワーに磨きをかけ、頭角を現した。04年アテネ五輪レスリング代表のパワーと技術で圧倒。当時から30キロ以上増えた119キロながら、寝技では素早く相手の背後に回り込み、その場飛びのムーンサルトを決めるなど、軽やかな動きも披露。Bブロックのトップを走り続けたが、初の頂点には届かなかった。

◆G1クライマックス 91年から始まった、ヘビー級選手によるシングルのリーグ戦。これまでは夏に行われていたが、コロナ禍により、昨年、今年と秋開催となった。20選手がA、Bの2ブロックに分かれ、総当たり戦(勝ち=2、引き分け=1、負け=0)を行い、1位同士が21日(日本武道館)に優勝決定戦を戦う。優勝すれば、鷹木の持つIWGP世界ヘビー級王座に挑戦する流れとなっている。最多優勝は蝶野正洋の5回。