グレート・O・カーン(30)アーロン・ヘナーレ(29)のユナイテッド・エンパイア組が、開幕から無傷の5連勝と、勢いに乗る内藤、SANADAのロス・インゴ・ベルナブレス・デ・ハポン組に初黒星をつけた。

相手の素早い攻撃にもひるまず、パワーで対抗。終盤にはバックドロップ&シットダウン式パワーボムの、新たな合体技を披露するなど、タッグの連携も光った。最後は21分28秒、O・カーンは、オコーナーブリッジを狙ったSANADAをアイアンクローで回避すると、エリミネーターを決めて3カウントを奪った。

宣言通りの勝利だった。前戦、28日の千葉大会で矢野、棚橋組に敗北した直後、O・カーンはすぐに気持ちを切り替えた。首位をひた走る前IWGPタッグ王者内藤、SANADA組を「このシリーズで1番楽な相手」と位置付け、「出汁(だし)の出るカモにしてやる」と宣言。この日の試合後は、KO状態のSANADAにIMPERIAL DROPを見舞うなど、一滴残らず搾り取った。

マイクを握っても、ドミネーターは場を支配した。内藤が23日の川崎大会後にノアとの対抗戦の発表がリーグ中にされたことについて、異を唱えたことに対し、反論。「ガキみてえにがたがた言うな。ここはプロレスする場だ。リング上で実力を示し、新日本プロレスを引っ張るって言ってやればいいんだ!」。そう、力いっぱいに叫んだ。

これで、4勝2敗の勝ち点8。勝ち点10で首位に並ぶ内藤、SANADA組とタイチ、セイバーJr組の背中を視界に捉えた。ユナイテッド・エンパイアの快進撃は、ここから始まる。【勝部晃多】