新潟県在住プロキックボクサー、RISEスーパーフェザー級1位の石月祐作(31=燕市・KAGAYAKI)がボクシング転向を表明している同フェザー級世界王者那須川天心(23)のRISE最終戦「RISE ELDORADO 2022」(4月2日、東京・国立代々木体育館)での前座戦出場をアピールした。昨年10月、暫定王座決定戦で一馬(32)に敗れた。その後はパンチの強化を図るなど実力アップに集中。成果を試すため、注目度の高いリングでの再起を強く希望している。

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再出発は少しでも派手な舞台がいい。「天心選手と同じリングに上がりたいです」。石月はストレートにアピールした。

那須川は6月にK-1のエース武尊(30)と対戦後、ボクシングに転向する。RISEのリングに上がるのは4月2日が最後。石月は春先に再起戦を想定し、調整してきた。タイミングは申し分ない。メインは那須川だが、目の肥えた格闘技ファンの視線は前座のカードにも集まる。

準備は進めている。週1回、十日町市のボクシングジム、大翔ジムに通う。元世界ランカーの嶋田雄大会長(50)からマンツーマンでパンチの質向上の手ほどきを受ける。新潟市のキックボクシングジム、ホライズンに足を運び、元日本ミドル級王者の喜多村誠(41)ら県内の格闘家と合同練習。「意識の高い人たちとの練習は刺激になる」と向上心を高めた。

昨年10月の一馬との暫定王座決定戦は壮絶な打ち合いの末に5回TKO負けだった。敗れはしたが、勇敢なファイトは関係者から称賛された。直後から対戦オファーが届くなど知名度は上がった。それでも断って、自己研磨を優先した。「今まで試合ごとに常に自分を追い込んでいた。今は力を養うことが大切」。タイトルに手が届きそうな実感があったからこそ、自分を見つめ直す必要性を感じた。

「まだ自分は完成していない。負けて得られるものなんてないと思っていたけど、そうじゃなかった」と想定していた35歳での引退を撤回した。もっと強くなれる自信は敗戦とともに得た。「“天心だけじゃなく、石月もおもしろい”と思ってもらえるように」。野望をリングで形にする。【斎藤慎一郎】

◆石月祐作(いしづき・ゆうさく)1990年(平2)10月9日生まれ、三条市出身。三条第一中から加茂農林へ進学。高校中退後、15年にスポーツ道場「KAGAYAKI」に入門。16年にアマチュアの全日本トーナメント優勝。17年8月に「RISE」でプロデビューし、18年にスーパーフェザー級新人王を獲得。20年8月にDBS日本ムエタイスーパーフェザー級、10月にKROSS×OVER同級のタイトルを獲得した。戦績15戦12勝(7KO)3敗。170センチ。血液型B。