プロボクシングWBO世界ミニマム級王者谷口将隆(28=ワタナベ)が22日、東京・後楽園ホールで同級5位の日本同級王者石沢開(25=M.T)との初防衛戦に臨む。昨年12月、王者ウィルフレド・メンデス(プエルトリコ)を11回TKO撃破し、念願の世界王者となった谷口は19年9月、日本同級挑戦者決定戦で石沢と対決済み。5回にダウンを喫しながらも判定勝ちしており、約2年7カ月ぶりの再戦となる。

王者の谷口は162センチ、挑戦者の石沢は156センチ。小柄な2人が対戦するのは、ミニマム級という階級だ。「minimum」は英語で「最小限」の意味で、文字通り、プロボクシングで分けられている17階級のうちで最軽量のクラスとなっている。

体重は105ポンド(47・62キロ)以下。1番重いヘビー級は90・72キロ以上で上限がないことと比べると、2分の1に近い体重だ。競技人口は世界で約200人で、アジア人選手が5割を占める。86年に創立された同階級の歴史は浅いものの、これまでに世界王者になった日本人は谷口を含めて13人と、日本人選手の層は厚い。

プロボクシングのミニマム級は、他の格闘技と比べても類を見ない軽さだ。柔道の男子最軽量の超軽量級が60キロで、女子の超軽量級でも48キロ。夏季オリンピック(五輪)柔道で5個のメダルに輝いた谷亮子さん(146センチ)が活躍したのが、柔道女子48キロ級だった。また、総合格闘技の男子最軽量はストロー級で、52キロだ。

男性芸能人でも珍しい。48キロ以下は、俳優の神木隆之介(168センチ)や小越勇輝(168センチ)、男性アイドルグループ元V6の森田剛(163センチ)、お笑いコンビ・カラテカの矢部太郎(158センチ)ら。「痩せている」といった印象が強い人たちばかりだ。

だが、ボクシング軽量だからといって侮ってはならない。迫力こそ上級の階級に劣るが、軽やかなステップや打撃の手数など、スピーディーな動きは魅力十分。ミニマム級は、日本が世界に誇る階級の1つだ。日本人同士の世界戦は、ハイレベルな一戦が期待される。