史上初のボクシング世界ユース制覇を含むアマ13冠ルーキー堤駿斗(22=志成)が「プロ仕様」への進化に手応えを示した。13日、東京・大田区総合体育館で東洋太平洋フェザー級5位ジョン・ジェミノ(30=フィリピン)との同級8回戦でプロデビューする。5日にはオンラインを通じ、報道陣に練習を公開。東京・目黒区の所属ジムでシャドーボクシングなどを披露した。

5月中旬から3週間、米ラスベガス合宿を敢行。同門の先輩、WBO世界スーパーフライ級王者井岡一翔も師事する名トレーナー、イスマエル・サラス氏に指導を受け、ロンドン、リオデジャネイロ両オリンピック2連覇のロベイシ・ラミレス(キューバ)ともスパーリングしてきた。堤は「ラスベガスで学んだ技術、戦術があるので、そういったものは持ち帰ってスパーリングに生かしてきました」と説明。アマチュアで培った能力をプロでも生かすようなスタイル変更が進んでいる状況を明かした。

国内スパーリングでは6回、8回のラウンド数を消化し「良い内容の練習ができている」とキッパリ。プロ初陣でいきなり東洋太平洋ランカーと拳を交えることもあり「1発のパワーもある。なおかつうまさもある。キャリア豊富な選手ですし、最初から最後まで気が抜けない選手」と警戒することも忘れなかった。

同じ東洋大で活躍した史上初高校8冠を含むアマ10冠の今永虎雅(大橋)がTKO勝利デビューを飾っている。「対抗心というよりも自分も良い試合をして良い刺激を与えられるような試合をしたい。次の試合も見に来てもらえるような試合をしたい」と静かに闘志を燃やしていた。