日本王者の年収を1000万円に! プロボクシングの元世界3階級制覇王者で、KWORLD3ジムの亀田興毅会長(35)が28日、大阪市内のジムで会見した。

8月14日にエディオンアリーナ大阪のメインアリーナで「3150FIGHT」の興行を打つが、その後の9月17日にメルパルク大阪で「3150FIGHT SURVIVAL vol.1」を行うと発表した。メインは日本スーパーフェザー級タイトルマッチで王者坂晃典(30=仲里)に同級6位の奈良井翼(22=RK蒲田)が挑む。

坂は体調不良のため、出席予定だった会見を欠席した。挑戦者の奈良井は「相手は強いが必ず勝ちます」と意気込んだ。

会見で興毅会長がどよめかせたのが「破格のファイトマネー」。亀田プロモーション調べとした相場で4回戦~日本、アジア王者を区分したファイトマネーを明文化。興毅会長は相場の倍、さらに現金で支払うことを明言した。

今回発表したタイトルマッチでいえば、王者の坂は相場の100万円→200万円、挑戦者の奈良井は50万円→100万円。ただ、興毅会長は「あくまで最低限で(上げる)例外はある」とし、坂のファイトマネーは450万円と明かした。

興毅会長は「ボクシングをみんながあこがれる世界にしたい」と言う。ボクサーと「お金」は、これまで明らかにされない部分だった。選手にチケットが渡され、それを売ってファイトマネーとするケースが主流でもあった。

興毅会長は、そんなシステムを改革したいと意気込む。そのためにプロモーターライセンスを取得した8月14日の興行から、肩書も創立者を意味する「ファウンダー」に変える。

今回のファイトマネーを会見の場で初めて聞いたという奈良井は「今聞いたばかり。めっちゃすごいです」と興奮した。普段は建設業に従事。その収入が生活費の大半を占めるが、「ボクシングだけで生活できるのが自分の夢でした」。

それはボクサーのだれもが抱く願い。興毅会長は「とにかく選手ファースト。日本王者やったら、年に3回試合して1000万円は稼げるようにしたい」。ファウンダーからパイオニア(開拓者)へ。興毅会長の「日本ボクシング改革」が本格的に始まる。【実藤健一】