総合格闘技イベントRIZINの榊原信行CEO(58)が、1日に心不全のために死去した元プロレスラーのアントニオ猪木さんの遺志を継承していくことを誓った。

5日に都内で行われた記者会見後の囲み取材に応じた同CEOは、猪木さんとの思い出について問われると「話し出すときりがない…」と、天国の恩師へ思いをはせた。猪木さんは2000年からRIZINの前身である「PRIDE」のエグゼクティブプロデューサーを務め、その後は「INOKI BOM-BA-YE」を立ち上げて、K-1、PRIDEとともに格闘技界の火付け役をになった。榊原CEOは「ファンの皆さんにもマスコミのみなさんにも『むちゃしすぎだろ』と言われることがあるが、これはみんな猪木さんに教えてもらったこと。格闘技界の諸先輩方、選手、プロデューサーの中で一番影響を及ぼしたのが猪木さんがやってきたこと」と、熱を込めた。

2000年代前半の大みそかは、NHK紅白歌合戦がテレビの視聴率を独占していたことに触れ、「新しいコンテンツをぶつけていくことがナンセンスというか無意味に思われていた時代に『紅白をぶっ倒せ』と言って上位概念にかみついていった。それがプロレスとか格闘技の、我々マイノリティーの失ってはいけない志」と力説。そして「足元にも及ばないんですけど、今の時代を作り上げている、PRIDEやRIZINにも確実に闘魂は継承されている。学んだことを次の世代に継承できるように頑張りたい」と、猪木さんのチャレンジ精神を受け継いでいくことを誓った。

追悼興行などについては、「(猪木さんの)IGFさん(猪木元気工場)や新日本プロレスさんが中心になることだと思う」としながらも、「我々がお役に立てることは率先して何でもやりたい」と、全力サポートをいとわない構えを示した。