1日に心不全のため、79歳で死去した元プロレスラーのアントニオ猪木さんが、最後のサプライズを公開した。

6日、自身のユーチューブチャンネル「最後の闘魂」を更新。死去当日に公開された「最期の言葉」の続編として、「アントニオ猪木のサプライズ」とのタイトルでインタビュー映像が公開された。

映像は、22年9月21日。都内の自室で上体を起こすのも困難な様子の猪木さん。冒頭で、食欲があまりないことを明かし「(栄養ドリンクの)缶を飲んでいれば、何も食べないでいいとかね。それじゃ、味気ないよね。おいしいものを仲間と食べるのが好きなんで」と笑顔を見せた。

また、自身の引退試合の際に詩「道」を読んだ事について話題を振られると「『道』を読んで『道』の詩を披露してそして今、自分が『道』に迷っています」と、ちゃめっけたっぷりに話した。そして「笑わせる気はないんだけど、いつからかこんなキャラクターになってしまった」と照れ笑いを浮かべた。

続けて、普段は病気の話はしないことを明かし、「電話でも『大丈夫だから電話に出てるんだよ』って(言っている)」と、心配の電話にも明るく接していたと話した。一方で、「また手術して、3回目、4回目にはそのたびに筋肉が落ちちゃう。最後の時はいきなり10キロ落ちた」と説明。「人間の体というのは複雑で、そういうことまで研究勉強しないと。ドクターもいるけど、医者が診断して、自分は痛い思いをしたことないだろ? 今回の全身性アミロイドーシスも体験したことないだろ? したことがないから俺は自分で体験して、人がやらない出来ないことをすべてやらせてもらった。だから最近、『ありがとう』と言葉にしている」と感謝を口にした。

動画の後半では、ストローで水を吸う力もない様子を見せ、「喉の筋肉も衰えていくし…」と話した。だが、次のカットでは、スタッフの控室に車椅子で猪木さんが登場。机の前に座ると「ガリガリ君」と一言。用意されたソーダ味のガリガリ君を食べると、スタッフにもガリガリ君を振る舞う様子が映し出された。

猪木さんは、最後にサプライズを準備していた。「後日。事務所の方に聞いた話」とし、「動画を見た人を驚かせるために、ガリガリの猪木がガリガリ君を食べる姿を見せたかったらしい」と、説明のテロップが挿入された。

最後は「最後まで人を驚かせようとした猪木。燃える闘魂 アントニオ猪木を私たちは決して忘れない」というテロップが流れ、「元気ですか!」という猪木さんの叫びで締めくくられていた。