WBC世界ヘビー級王者タイソン・フューリー(34=英国)が3度目防衛に成功した。同級13位デレク・チゾラ(38=英国)との3度目対決に臨み、10回TKO勝ちでWBCベルトを守った。序盤からアッパー攻撃でダメージを与え、右構えからサウスポーにスイッチしながら8回に右強打でぐらつかせた。チゾラの右目下を切り裂き、連打で攻め込んだところでレフェリーストップに追い込んだ。

チゾラとは過去2度対戦していた。11年7月に判定、14年11月の2度目対決では10回TKO撃破。3度目対決も制したフューリーは「まずイエス・キリストに感謝します。なんと素晴らしい大観衆でしょうか。6万5000人です。みんなに感謝です。トットナムにこれだけ多くの人が来てくれた。ありがとう。いい感じで戦えた。今日はジャブも当たり、チゾラは勇敢な選手だ。みんなデレクが好きに違いない。すばらしい英国の生んだ最高の選手の1人だ。ダウンを狙っていたのに奪えなかった」と敬意を表した。

フューリーにとって4月にディリアン・ホワイトを6回TKO撃破して以来、約8カ月ぶりのリングだった。ホワイト戦のリング上で1度は発表したものの、今夏に現役続行を表明して臨んだチゾラ戦だった。観客席にはWBAスーパー、IBF、WBO世界同級王者オレクサンドル・ウシク(35=ウクライナ)が視察。試合後、フューリーは「どこにいるんだ、ウシク」と観客席から3団体統一王者を呼び出した。ロープを挟んでウシクと対峙(たいじ)し「次はお前だぞ。おれとお前で対戦だ。弱くないぞ。いつでもやってやるぞ。俺が終止符を打ってやる」と強気の姿勢。ウシクも笑顔で応じた。来春実現とも言われる4団体王座統一戦を見据えた。

さらにウシクに続き、WBO世界同級暫定王者ジョー・ジョイス(37=英国)も加わると、フューリーは「お前を指名してやってもいいんだぞ」と“上から目線”で豪語していた。