ハイスピード選手権試合が行われ、“天下無双の歌媛”清水ひかり(29)が王者AZM(20)に挑戦するも、ベルト獲得とはならなかった。

序盤から好守がめまぐるしく入れ替わり、清水も丸め込みを切り返すなど、勝機が訪れた。「あと0・1秒が長く感じた」。カウント2・9まで追い詰めたが、最後に絞め技に屈し、無念のギブアップとなった。

普段はガールズプロレスユニット「COLOR'S(カラーズ)」のメンバーとしてさまざまな団体に出場している。今月3日にAZMの試合を見て「最速の名が欲しい」と挑戦表明。もともとスピードには自信があった。短距離では「市で入賞したことがある」という。

多忙なスケジュールの中、前哨戦が予定されていなかったため、6日の会見で先制攻撃を仕掛けた。早口言葉、早飲み、かけっこ、あっち向いてホイ、といった前哨戦? を会見で仕掛け、AZMを動揺させた。その上で自身は「AZMのハイスピード戦をすべて見た。気をつけなきゃいかないことがいっぱい」としっかり研究して臨んだが、8度防衛の絶対王者を倒すことができなかった。

高校を卒業し、京都でバスガイドとして働いていた清水。スターダムでの初めてのタイトル獲得とはならなかったが「声や歌に自信がある。スターダムで必ず王者になってカラーズで歌いたい」と前を向いた。敗れはしたが、涙はなく、バックステージでも終始笑顔だった。「名前も知らなかったような私と戦って、楽しかったって思ってもらったら。AZMさんから盗めるものは盗んで、もう来るなって言われるくらい何度でも挑戦します」。今度はリングでひかりの速さを見せつけ、美声を響かせてくれるはずだ。