王者谷口将隆(28=ワタナベ)が一撃に屈してV2に失敗した。

2回に同級2位メルビン・ジェルサエム(28=フィリピン)の強烈な右ストレートを食らってダウン。立ち上がろうとしたがよろけ、2回1分4秒TKO負けとなった。

「倒されたばかりでふわふわしている。率直な感想を言うとさっきまで試合の内容を覚えていない」と、試合直後は記憶を失うほどのダメージだった。1回はボディー攻めで主導権。「1ラウンド目が終わっていけるなと思った自分がいて油断じゃないけど、隙ができましたね」と悔やんだ。

石沢開を相手に初防衛した昨年4月22日以来の試合だった。その試合後に左目網膜裂孔(れっこう)が判明した。「最初は試合しながら目がチラチラしていた」と不調を感じてレーザー手術を受けた。その後、約4カ月も動けない状態。「時間をかけて土台から作り直した」と言ったが、調整の狂いは否めなかった。

今後は階級を上げる可能性もあるが「次というのは明確に見えていない。これから記憶が戻って悔しくなると思う。それをかみしめて決めていきたい」と言った。自らを「雑草」と表現する。踏まれて強くなる信条で屈辱からはい上がる。【実藤健一】

◆谷口将隆(たにぐち・まさたか)1994年(平6)1月19日、兵庫・神戸市生まれ。中学1年でボクシングを始め、神戸第一高、龍谷大でボクシング部に所属。16年4月にプロデビュー。17年4月の日本ミニマム級王座決定戦、同11月の東洋太平洋同級王座決定戦で、いずれも判定負け。18年11月にタイでWBOアジアパシフィック同級王座獲得。19年2月にWBO世界同級王者サルダールに判定負け。20年12月に日本同級王座獲得。身長162センチ。

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