プロボクシング元WBC世界フライ級王者で現WBA世界バンタム級12位の比嘉大吾(27=志成)が、6月24日に東京・後楽園ホールでWBA世界スーパーフライ級3位シリチャイ・タイイイェン(32=タイ)とバンタム級10回戦に臨むと23日、発表された。昨年11月、ソンセン・ポーヤム(タイ)との同級10回戦で判定勝ちして以来、約7カ月ぶりのリングで、世界ランカー対決を迎える。

同日、東京・目黒区の所属ジムで記者会見に臨んだ比嘉は「年も年なので世界を目指すにはそろそろ(世界ランカーと)やらないといけないと思っていた。組んでもらえてありがたいです」と口元を引き締めた。

シリチャイはヨドモンコン・ポー・センチップのリングネームで13年11月、当時のWBA世界フライ級暫定王者(日本未公認)だった江藤光喜に挑戦し12回TKO勝ちしている。比嘉は、同じ沖縄県出身で白井・具志堅ジム時代の先輩でもある江藤の敵討ちの意識もあり、「先輩が負けているので。そのリベンジも兼ねてKOで倒して勝ちたいです」と口調を強めた。

フライ級時代は日本記録の15連続KO勝ちを誇った比嘉だが、再起戦から2試合続けて判定決着となっている。バンタム級では20年12月のストロング小林佑樹戦以来、約2年半ぶりのKO勝利にも意欲。「見ている側からしたらKOを狙わないと楽しくないでしょうし、周りから見て『つまらない』と言われたらおしまい。倒しにいきたい」とKOへのこだわりをみせた。

15~21日まで千葉で走り込み合宿に取り組み、下半身を強化してきた。シリチャイ戦は“世界前哨戦”の意味合いもあるだけに気合十分。「いつでも世界戦ができる気持ちでやっている。良い勝ち方で次につなげられたら」と気を引き締めた。

同興行では元世界4階級制覇王者の井岡一翔(34=志成)が、WBA世界スーパーフライ級王者ジョシュア・フランコ(米国)に昨年大みそかに続く即再戦で挑戦するカードがメイン。比嘉-シリチャイ戦はセミファイナルとして組まれる。