格闘一家・山本アーセンが、禁欲パワーを解放する。RIZIN44(24日、さいたまスーパーアリーナ)のDEEPフライ級GP覇者の福田龍彌戦を前に22日、都内で大会出場全選手のインタビューに参加。落ち着いた表情のアーセンは「心も脳みそも落ち着いている」と静かに闘志を燃やした。「前のアーセンじゃないということを証明できたら」と胸を張った。

福田しか見えていない。5月のRIZIN42で判定勝利した伊藤裕樹には、試合前に「女のケツばかり追いかけている」と挑発され「ごもっとも。何も言い返すことはない」と言っていた。だが、今回は違う。「今は女性に対しての欲はない。変なこと言っていいですか?」とスタッフの様子をうかがいながら「自己処理の回数だって減る訳だし。とにかく試合に勝ちたい。それしか見ていない。試合後にお楽しみは取っています」と笑った。

福田は第7代修斗世界フライ級王者でもある。アーセンにとって「修斗」は意識せざるを得ない団体。18年9月18日に亡くなった、叔父の山本KID徳郁さん(享年41)も、同団体で軽量級の礎をつくった。アーセンは「叔父も修斗のチャンピオンだった。だからこそ、この試合は勝たないといけない。価値をすごく感じている」とうなずいた。「ノリ(徳)がやってきたものの価値…。頭上がらないですね。超えるとなると、難しいかもしれない」。偉大な叔父の背中を追い、ため込んだ欲を解き放つ。