<K-1

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 MAX>◇27日◇日本代表決定トーナメント◇さいたまコミュニティアリーナ◇6216人

 コスプレ戦士の長島☆自演乙☆雄一郎(25=魁塾)が、初優勝を飾った。1回戦で名城裕司(26=KNETWORK国士会館)、準決勝で龍二(31=リアルディール)を、ともに1回KOで撃破。決勝では中島弘貴(21=バンゲリングベイ)と壮絶な打ち合いを展開し、3回1分58秒、右フックでKOに仕留めた。「世界へのアニメ布教」をうたい、コスプレばかり話題になってきた男が、実力を証明。日本代表決定トーナメント史上初の全試合KO優勝で、歴史をつくった。

 壮絶な打ち合いの末、長島が日本の中量級の頂点に立った。名城、龍二をともに1回KOで破り、迎えた中島との決勝。2回にダウンを取られたが、3回にカウンターの右フックでダウンを奪い返した。倒れたままの中島には目もくれず、コーナーに上って雄たけびを上げた。全試合KO勝ちは、魔裟斗や小比類巻らも成し遂げられなかった快挙。K-1通算4勝3敗で、すべてKO決着。「僕は勝っても負けてもKOですよ」と胸を張った。

 アニメキャラの衣装を着て入場することで、話題をさらった。「世界へのアニメ布教」が目標と真顔で言う。一方で、初出場だった昨年のこの大会は準決勝で敗れた。3連敗で迎えた今大会。実力を疑問視する声に反発するように、09年12月に兵庫から上京した。練習相手や環境が整った東京のジムで出げいこし、すぐに結果を出した。

 中学、高校で不登校になりながら、家族と先生の協力で卒業できたことに感謝している。「優勝賞金(500万円)は親に渡したい。迷惑をかけたから。あとはネット関係(の周辺機器)を整備したい」。アニメ布教だけでなく、今後は不登校に悩む生徒の希望の光になるかもしれない。【森本隆】