大関豪栄道(29=境川)が、優勝争いを大混戦へと導いた。白鵬を捨て身の首投げで撃破。「狙ってできるもんじゃない。当たって、何でもしようと思ってた。とにかく必死に、考えるより体が動くままにやった」。既に5敗でV圏外でも「自分なりの意地は見せられた」と、小鼻を膨らませた。

 土俵際は、執念だった。横綱より先に手はつかず、打ちつけられた頭からは髪が束になって抜けた。強打した左肩も赤くなった。大銀杏(おおいちょう)も塩と砂まみれ。「ちょっとでも存在感を見せないと。情けないばかりなんで」。大関昇進後の4場所は最高でも8勝止まり。屈辱まみれの日々を奮起材料に、最強横綱に土をつけても笑顔はない。「まだもっと活躍しないとだめ。残り3日が大事」と気を引き締めた。