“交際確約記念日”に告げられたかもしれない、よもやの“別居通告”を、ベテランが回避した。

 左アキレス腱(けん)皮下断裂のため西幕下7枚目まで番付を落とし、3場所ぶりに土俵復帰した豊ノ島(33=時津風)が6番相撲に臨んだ。

 西11枚目の魁(30=芝田山)を「二本入って自分らしい相撲」と自画自賛する、もろ差しからの危なげない寄りで破った。4勝2敗とし、12年半ぶりとなった幕下で勝ち越しを決めた。

 豊ノ島によれば、7年前のこの日、沙帆夫人(35)から交際を認められたという。東前頭5枚目で迎えた09年九州場所10日目。7勝2敗で旭天鵬と対戦し、すくい投げで勝った。「嫁から『勝ち越したら付き合う』と(約束を取り付けた)。あれが7年前の11月24日。だから今日は特別に勝ちたかった」と照れながら、昔日を思い浮かべた。

 あれから7年。今度は陥落した幕下での勝ち越しをかけて臨んだ。その沙帆夫人からは冗談で「これで勝ち越せなかったら別居だね」と伝えられた。「いい報告ができて良かった。しんどい場所だけど、とりあえず勝ち越したのは大きい」と二重の喜び? を喜んだ。