今年は17年ぶりの4横綱時代が訪れたが、金星配給も増えた。平幕が横綱を破る「金星」の最多獲得者は、4人が3個で並んだ。非公式ながら、平幕が大関を破る“銀星”も含めた「金銀コレクター賞」は、金星3個+銀星6個の北勝富士(25=八角)が獲得した。

 横綱初挑戦となった名古屋場所の鶴竜戦で初金星を挙げた。それが一番思い出に残る金星だ。「初めて横綱とやってどんなものかなと思った。肌を合わせたらうれしさが込み上げてきた。ここまで来たんだな、って」。当時、土俵下では感極まって涙を流した。「震えましたね。目から汗が出ました」と照れ笑いした。

 金銀コレクター賞に輝いたが、コンプリートはまだ果たしていない。唯一、金星を挙げていないのが白鵬戦。「みなさんすごいけど気迫が違う。スピードも低さも。種類が違う」と別格の強さを感じている。

 平幕にだけチャンスがある金星だが「来年は三役に上がりたい」と意気込む。初場所(来年1月14日初日、両国国技館)では前頭筆頭が濃厚。白鵬から初金星を挙げて、新三役も狙う。【佐々木隆史】