西十両3枚目貴ノ岩(28=貴乃花)が、西十両10枚目照強(23=伊勢ケ浜)を下して10勝目を挙げ、来場所での再入幕が濃厚となった。

 照強に中に潜られて足を取られかけたが、寸前で回避した。しかし、上体が起き上がると土俵際まで一気に運ばれた。ここで慌てないのが、貴ノ岩の強み。土俵際で踏ん張って体を落とし、左を差して有利な体勢を作ると、逆の土俵際まで一気に運んで寄り切りで下した。「足を取るとは頭になかった」と予想していなかったが、冷静に対処して白星をつかんだ。

 これで秋場所(9月9日、東京・両国国技館)での再入幕が濃厚となった。昨年10月の元横綱日馬富士関による傷害事件の被害で、同年九州、今年の初場所を全休。番付を十両下位まで落とした春場所で復帰して、夏場所に続き2場所連続の2桁白星を挙げた。再入幕となれば昨年九州場所以来だが「最後まで緩めずに頑張るだけです」と、目の前の一番に集中する。

 十両の優勝争いも1敗で単独トップで引っ張っている。「意識してもいいことないですよ」と自然体で、13年初場所以来2度目の十両優勝を狙う。