東前頭13枚目栃煌山(31=春日野)が西同6枚目千代大龍を押し出しで破り、2敗を守った。過去2勝4敗と分が悪く、強烈な当たりに定評がある相手に当たり負けせず、引き技にもこらえ、白星をもぎ取った。「ちょっとバタバタしました。もう少し膝を曲げて低くいきたかったけど、当たり負けしなかった。(相撲は)よくなっている」。

 新大関栃ノ心が休場。昨年の名古屋場所では、碧山が優勝次点と頑張った。通算25場所も三役を経験している実力者にすれば、今度は自分が部屋の仲間の分も頑張りたい。この日の朝稽古後には、汗を流した栃ノ心が「栃煌山関は強いよ。弱かったことなんかないよ」とエールを送った。

 全勝の御嶽海を2差で追い、残り4日。勝負の後は連日、昨年6月に結婚した愛妻せりさん、生後10カ月の長女禀(りん)ちゃんとのテレビ電話で疲れをとる。「やっぱり子ども(の笑顔)はね~。あ、もちろん、嫁さんもですよ」。会場を去り際、おどけて笑った。悲願の初優勝へ。エネルギーは十分、ありあまっている。