横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)の引退、年寄荒磯襲名から一夜明け。相撲教習所で同期だった西十両5枚目の豊ノ島(35=時津風)が、あらためて“盟友”の引退を惜しんだ。

この日は西十両4枚目の友風(24=尾車)を「自分が一番ビックリした。2歩目をしっかり出るという、今このスタイルがはまっている」という、電車道の相撲で押し出し。今場所初の連勝で、星も今場所初めて白星先行となる3勝2敗とした。

支度部屋を出て帰り間際に取材対応。「何とか、まだまだやってほしかった。横綱が決めたことだけどね」と名残惜しそうに話した。前日も話したが、場所前に琴奨菊と出稽古した際、相撲談議に花が咲き横綱が「相撲ってやっぱり楽しいっすね、やめられないっすよね」と無邪気な笑みを浮かべながら話したことを再び披露。その時に3人でグループラインを作ったが、そのラインで横綱から引退の決意を知らされた。「楽しかったし、大阪(3月の春場所)でも1回ぐらい(合同)稽古をしようかって話してたところ。あの稽古からも、まだ長く取れるんだろうなって感じたし、本当にやりたいんだなって思ったからね…」。誰もが通る引き際の道。いずれ、自分にもその時が来る。「まだまだ…と思いながら、いずれ来る道だから」と悔いのない土俵人生を歩む。