新三役の西小結北勝富士(26=八角)が初日を出した。大関栃ノ心(31=春日野)に3連勝で三役初勝利。

低く鋭い出足から、左おっつけ右のど輪で栃ノ心を遠ざけ、まわしを触らせず押し出した。「まわしを引かれたらアウトだと思っていた。それだけ圧力をかけていくのが自分の相撲」と、持ち味全開の内容に満足顔だった。

悪い流れを断ち切った。序盤は横綱、大関との上位戦が続く地位。「初日、2日目とあまりに内容が良くなかった。このままズルズルといくかなと」。栃ノ心には2連勝中だっただけに、流れを食い止める好機だった。「最近は(栃ノ心と)分が良かったので、勝てて良かったです」。

後輩の力水で、力が湧いた。取組前の支度部屋。埼玉栄高の1学年後輩、平幕大栄翔に「力水つけてくれ、気合が入るから」と声を掛けた。その大栄翔は大関高安を撃破し、北勝富士の願望が実現。北勝富士は「(対戦相手と)仲いいのはあまりよろしくないけど」と前置きしながら、「後輩が勝つと気合が入る」と、刺激を心地よく受け止めた。

4日目は同じく高校の後輩、関脇貴景勝とぶつかる。支度部屋を引き揚げる際、対戦相手を知ると「楽しいやん」とニヤリ。幕内では2勝5敗で、直近は3連敗中だけに「そろそろ先輩の意地を見せたいね」と、雪辱に燃えていた。