16場所ぶりに幕内へ戻った西前頭14枚目の豊ノ島(35=時津風)が、4日を残し負け越しが決まった。5日目からの連敗を前日10日目に「5」で止め、仕切り直しとして臨んだが、3勝8敗となった。

初顔の同13枚目の輝(24=高田川)と対戦。「中に入ってのもろ差し狙い」と明確にして踏み込んだが、相手もそこを封じにかかった。懐に潜り込もうとしたが、差されまいと左からの、おっつけなどで応戦された。なおも前に出ようとしたところで、両足がそろってしまう。体を開かれた輝にはたきこまれ、前のめりに両手がバッタリと着いた。

開き直って臨んだ前日から一転、この日は力みを感じた。「昨日、連敗を止めて(負け越しを)踏みとどまったから、何とか…と持って力んだかな。出番前から堅かったような気がする」。1度は頭から消した星勘定が、再び頭をもたげてきたのか。気持ちを整理しきれないまま臨んだ土俵だった。

12勝3敗で優勝次点と殊勲賞を勝ち取った16年初場所以来となる幕内での勝ち越しは、来場所以降にお預けとなった。「仕方ない。もちろん悔しいけど、長い相撲人生で何度も負け越しはあった。いちいち気にしてられない。特別な負け越しではないし、残り全部勝てば幕内残留もある。どんな結果に終わろうと、今場所を全うするだけです」。残り4日、全力投球の姿勢は変えない。