1場所での再入幕を目指す東十両筆頭の豊ノ島(35=時津風)が、今場所初の連敗で3敗目(6勝)を喫した。

初日に続き今場所2度目の幕内での土俵で、相手は新入幕で土俵を沸かせている小兵で西前頭14枚目の炎鵬(24=宮城野)。168センチ、99キロで現在幕内最短身、最軽量の炎鵬とは幕下、十両、幕内(炎鵬は十両)で各1度ずつ対戦。変幻自在に動かれるなどで3連敗していた。

立ち合いも「いろいろなパターンがあるから、こっちもいろいろ考えてしまう」と迷うことが多い中、この日は「張ることは考えていた」と右の張り差しを実行。それを見透かされたように、わずかに当たって左に動かれ、張り手も的中しなかった。それでも回り込む小兵を正面に置き、土俵際まで押し込んだ。だが、さらに左に回り込む炎鵬の引き足に、自分の出足がついていかず、前のめりのまま、はたきこまれた。

立ち合いこそ決めていたが、やはりその後の攻め手に、迷いと相手の術中にはまる“わな”があったようだ。「つかまえるか、そのまま前に出るか迷った。本当に小さい。他の小さい力士より、一回り軽い。つかまえれば一気に行けるんだけど、軽いから(相手が)スーッと下がると『行ける』と思って出ちゃう。それが(小兵の炎鵬の)武器でもあり弱みでもあるだけど、ついつい出ちゃう。ついて行ったら、オジサンにはついて行けないスピード(の引き足でかわされる)」。

これまでの対戦の後には「炎鵬の相撲は見ていて面白いし個人的には応援したくなる」と話していたが、さすがに対戦成績も4戦全敗となると、そうはいかない。「何とか攻略しないと。ばかにされないようにね」と来場所以降のリベンジを心に刻んだ。幕内返り咲きまで、あと2番。気持ちを入れ替えて後半戦に臨む。