令和最初の本場所となった、5月の大相撲夏場所を右上腕二頭筋断裂のため全休した横綱白鵬(34=宮城野)が4日、東京・墨田区の宮城野部屋で、稽古を再開した。

夏場所中も白鵬は何度か、稽古場には下りていた。場所中とあり、一人での基礎運動に終始していたと思われるが、この日は全体稽古終了後、30分ほど基礎運動で汗を流した後、若い衆と仕切り線を挟んで向かい合い、立ち合いの踏み込みの動きを15分ほど確認した。

もちろん軽めとはいえ、立って相手に当たることで、痛めた右腕に衝撃が加えられる。まだ試運転の段階だが白鵬は「今日みたいな、ぶつかりは当分、できなかったから、だいぶ前進した。(力の入れ具合も)問題なかった」とした。右四つの白鵬は「右は差し手だから(問題ない)。(左で前まわしを取っての)引きつけではないから」と、差してかいなを返す動きには大きな問題はないことを説明した。

現状では相撲を取る稽古は、毎年恒例となっている6月中旬の滋賀・長浜合宿からになる。それまでは「相撲を取りたい気持ちで何年ぶりかな、ウズウズしている。20代の頃を思い出して懐かしいな」と目を細めた。夏場所で初優勝を平幕で飾った朝乃山(高砂)についても言及。将来的に四つ相撲を代表する力士になりたいと語っていた朝乃山に対し「もう代表になってるでしょう。相撲のスケールというか、体形も」と評価し、朝乃山が将来的に白鵬のような力士を理想としていることにも「(白鵬が本場所で締める)茶色のまわしを(本来は青色の朝乃山が)締めて後ろから見たら(自分と)変わらない」と“後継指名”していた。