大相撲の東前頭筆頭の朝乃山(25=高砂)が優勝した5月夏場所後、初の出稽古を行った。名古屋場所(7月7日初日、ドルフィンズアリーナ)に向けて27日、愛知・犬山市の時津風部屋で、前頭正代、十両豊山、さらに同じく出稽古に来ていた関脇御嶽海と計11番取って8勝3敗。立ち合いから圧力をかけ、得意の右四つに持ち込む場面が多く、いきなり6連勝を飾った。2度の優勝パレードなど多忙を極め、稽古不足が懸念されたが、力強い相撲が続いた。

稽古後は「先場所と同じように、前に前に攻めようと思っていた。それしかないから」と、イメージ通りに体が動いたことで、手応えを感じていた。愛知・蟹江町の高砂部屋宿舎からは、渋滞の影響もあって車で約80分かけて訪れたが「御嶽関が来るとは思っていなかった。普段はできないのでよかった」と収穫があった様子。昨年の名古屋場所で優勝を争った御嶽海、豊山と稽古したことで、自然と熱がこもった。

朝乃山と1勝1敗だった御嶽海も新番付発表後、最初の出稽古だっただけに「今日はこんなもんでしょう。徐々にという感じ」と、名古屋場所2連覇へ、上々のスタートを強調した。正代と豊山は、朝乃山について「強くなっている」と声をそろえ、成長を認めた。名古屋場所での対戦が予想される正代は、朝乃山について続けて「右四つがさらに力強くなった。以前は、右四つになるまでが苦労していた感じだったけど、今は最初から圧力をかけてくるので、組めなくてもいい体勢に持ち込める。そこから自然と右四つにしてしまう。しかも体が柔らかいのに、下半身はドッシリとしているからブレない。全体的にパワーアップしている」と分析していた。