西前頭14枚目炎鵬(24=宮城野)が、白鵬の一喝で復活した。新入幕の同10枚目貴源治との身長差23センチ、体重差73キロをものともせず、下から回転の速い突き、押しで体を起こし、最後は右手で左脚を抱え、寄り切るように足取りを決めた。

「前に出て、下がらない。きょうはそれだけを意識しました」と話した。

輝、千代丸と今場所初の連敗を喫し、5勝3敗となった8日目の打ち出し後、白鵬に焼き肉に連れていかれた。店で席に着くと、まず「前に出んか!」-。新入幕の先場所は、7勝2敗から6連敗で負け越した。嫌なイメージが出始めていただけに「胸に刺さりました」という。

「(2連敗は)考えすぎていて、体が動かなくなっていた。先場所のことも頭にあった。前に出れば、左からの攻めも横の動きもより効果が出るますからね」。兄弟子の心遣いで6勝3敗。幕内初の勝ち越しへ。「1番1番、思い切ってとります」と吹っ切れた様子だった。