大相撲夏巡業が3日、埼玉・所沢市で行われ、同市出身の前頭北勝富士(27=八角)が集まった約3200人を沸かせた。小結阿炎らと計7番取った申し合い稽古、横綱鶴竜の胸を借りた約8分間のぶつかり稽古では大歓声を浴びた。

会場の所沢市民体育館内には計4カ所に、地元後援会から「北勝富士関 所沢の星」と書かれた巨大な横断幕が設置。北勝富士は「(同市での巡業は)3年連続、毎年やっていただいている。ありがたい。自分の相撲(取組)で盛り上げていただいているおかげで、自分を知ってもらう機会が増えるので」と、地元の歓迎ぶりに感謝した。

ここ1年でライバルの御嶽海、同じ一門の朝乃山が初優勝を果たしただけに、番付での“出世争い”では負けたくない。「御嶽海は追いかけている存在。彼とやるときは気合が入るし、勝ったら一番うれしい。朝乃山は同じ一門で、(巡業の)支度部屋もいつも隣で弟みたいなもの。先に優勝されて悔しさがある」。

特別な意識を隠さない一方、焦りはない。「小4から相撲をやって最初は弱かったけど、地道に頑張ったら中学から強くなった」と、アマチュア時代から地道に実力を伸ばしてきた自負がある。

7月の名古屋場所では、西前頭筆頭の地位で9勝6敗の好成績を収めた。秋場所(9月8日初日、東京・両国国技館)に向けて「両横綱、大関陣は強いけど、先人たちはそこを破ってきた。破った人が次の世代の壁になれる。自分もしっかりその壁になりたい」と、力強く話した。