再十両を目指す東幕下2枚目豊ノ島(36=時津風)の、来場所十両復帰の可能性がなくなった。

2勝3敗で迎えた6場所相撲は、十両の土俵で東十両14枚目の千代鳳(27=九重)と対戦。過去1勝2敗の相手に、立ち合いの攻防から左が入った。

だが、関取として16年名古屋場所以来、3年半ぶりの勝ち越しをかける一番となった千代鳳の圧力に負け後退。右上手を引いたまま反時計回りで向正面に回り込み、左手で相手の頭を押さえながら逆転の上手投げを打った。左足を宙に浮かせながら、右足一本で残りながら執念の投げ。軍配は千代鳳に上がったが、物言いがついた。だが協議の結果は、豊ノ島の体が崩れるのが早いとみて、軍配通りに千代鳳の勝ち。2勝4敗となり、負け越しが決まった。

息の荒いまま、報道陣の取材に応じた豊ノ島は、協議している心境を「いやー、厳しいと思ったけど…。もう少し体の開きが…」と肩で息をしながら、投げを打った場面も含めて振り返った。「圧力をかけながらの出し投げだったら、もうちょっと(状況が)変わったかも」と、劣勢に立たされた末の、捨て身の投げを悔いた。

立ち合いからの流れは、左を差すなど想定通りだったようだが「ちょっと慌てたかな。もうちょっと慌てずに、左の下手を取って、しっかり左四つになって自分の長所の形を作って、前に出ながら圧力をかけて押していくべきだったかな」と向正面側に下がった場面も敗因に挙げた。さらに、その圧力をかけるパワー不足を「力が衰えている、というのは自分でもある」と肩を落としながら素直に認めた。番付降下は決まったが来場所、再び関取復帰を目指す位置につけるためにも、残る7番相撲も重要になる。「残れてはいるのでね、あと1番、頑張ります」と必死に前を向いた。