7月場所前に現役を引退した元関脇栃煌山の清見潟親方(33=春日野)が、NHK大相撲中継で解説デビューを果たした。

黒いスーツ姿で向正面の解説を担当した。力士生活を終えて「あっという間の15年間。たくさんの声援があってここまで来られた。応援してくださった方々、師匠に感謝の思いでいっぱい」と話した。

正面解説の北の富士勝昭氏(元横綱)からは、異例の謝罪があった。北の富士氏は「現役時代は失礼なことも言ったけど、あなたは真面目でいい力士でした」と褒めたたえた。2009年春場所12日目、栃煌山が無抵抗のまま把瑠都につり出された際、解説だった北の富士氏は「つられっぱなしじゃねぇ…。シャケじゃないんだから」と指摘。一部ネット上で、栃煌山が「シャケ」と揶揄されるきっかけになってしまった。過去の“愛のムチ”に清見潟親方は「現役時代は厳しいことを言ってもらううちが華だなと思っていました」と、ほほ笑みながら感謝した。

清見潟親方は同部屋の大関経験者、前頭栃ノ心らにエールを送った。「栃ノ心と毎日ずっと今まで頑張ってきた。栃ノ心がいたから頑張ってこられた。本当に心が優しい力士。土俵に上がると気持ちが強くて、豪快な相撲を取ってくれる」。現在は春日野部屋の部屋付き親方として、稽古場でまわしを締めて指導している。「今度は栃ノ心、碧山のために頑張っていきたい」と、どんどん胸を出していく意向を示した。