日本相撲協会は27日、大相撲春場所(3月14日初日、エディオンアリーナ大阪)の番付編成会議を開き、武将山(25=藤島)の新十両昇進を決めた。元大関武双山の藤島親方が育てた力士としては、初の関取となる。

初場所は東幕下2枚目で4勝3敗とぎりぎりの勝ち越しで昇進を決めただけに「素直にうれしいです。師匠から電話があって知りました。うれしかったけど、気を引き締めて来場所に向けて頑張らないと、と思った」。体重は170キロ台も身長172センチと小柄で押し相撲が武器。師匠の藤島親方は「丸い体を武器に前に出る相撲が脅威になる。前に出る相撲を徹底してとれれば」と期待した。

高校相撲の名門、埼玉栄高の出身。同期入門の貴健斗と同時に新十両昇進となった。「ずっとライバルでやってきた。負けたくないんで、これからも切磋琢磨(せっさたくま)して頑張りたい」。もう1人、刺激を受けた存在が部屋の後輩、鈴木(20)だった。グイグイ番付を上げて昨年11月場所では西幕下11枚目と、関取の座も射程圏にとらえた逸材。幕下上位の壁に阻まれていた武将山だが「部屋の弟弟子の鈴木の存在が大きくて負けたくなかった。悔しい思いをしてきて、身近に鈴木が入ってきてより一層気が引き締まった」と話す。

新十両場所に向けて、「15日間毎日相撲をとるんで体力、精神面も強くしていきたい。前に出る真っ向勝負で頑張りたい。師匠のように押し相撲で活躍できる力士になりたい」。初場所も突き、押しを徹底した大栄翔が初優勝を飾った。差さない、まわしを取らない、そして引かない。押し相撲を極めて、さらに上の番付を目指していく。