西幕下筆頭琴裕将(27=佐渡ケ嶽)が、西幕下5枚目朝弁慶(32=高砂)を寄り切りで下して勝ち越しを決め、来年1月の初場所での新十両昇進を有力とした。

立ち合いで右を差して一気に前に出ると、左も差してもろ差しになって勝負を決めた。「緊張は別になかった。相手は脇が甘くて引き込むような相撲が多かったので、一気に前に出て行きました」と狙い通りの相撲だった。

奈良・大和広陵高3年時には団体レスリングで優勝した逸材だ。進学した法大でもレスリングを続けていたが、同大3年時に一念発起。15年に退学し、16年春場所で初土俵を踏んだ。部屋での稽古では、平幕の琴恵光や十両琴勝峰ら関取衆の胸を借りているという。「勝つことはほとんどないけども内容はよくなっている。自信になっている」といい、これで7場所連続の勝ち越しとなった。

悲願の新十両昇進が近づいてきたが「全く意識はないです。なるようにしかならないので」と浮かれることはなかった。残りの一番に向けて「やることは変わらない。準備をしっかりするだけ」と引き締めて土俵に上がる。