西前頭7枚目の宝富士(34=伊勢ケ浜)が勝ち越しを決めて2敗を守った。

「あわてないでどっしり自分の相撲がとれたと思う」。突き放しにくる一山本の動きを冷静に見極め、攻めを受け止めて押し出した。「調子が悪ければ引いていたが、前に出て勝てている。勝ち越して気を抜くといつもと一緒になる。気を引き締めていきたい」と戒めた。

この日は恩師、近大相撲部前監督で55歳で亡くなった伊東勝人さんの命日だった。「勝ち越しもかかっていたので、すごい気合入りました」と話し、「大学の時、自分は左半身が多かった。不利になるので、右の使い方を徹底して教えてくれた。それが今に生きている。(勝ち越して)いい報告ができます」。恩師に捧げる8勝目となった。