大相撲の現役最年長力士の序二段、華吹(はなかぜ、51=本名・山口大作、立浪)が23日に幕を閉じた初場所を最後に現役を引退することが25日、関係者への取材で分かった。引退届は日本相撲協会に提出済みで、春場所の番付編成会議が開かれる26日に正式発表される。現役最後となった初場所は2勝5敗。昭和初土俵の最後の力士が、ついに土俵を去ることになった。

華吹は横綱千代の富士が圧倒的に強かった86年春場所で初土俵を踏んだ。通算在位は歴代最多の214場所。最高位は03年九州場所での東三段目18枚目で、通算成績は683勝788敗13休だった。50歳で迎えた21年初場所では、116年ぶりの50歳以上力士の勝ち越しを決めるなどして話題を呼んだ。立浪部屋では長らくちゃんこ長を務め、明生や豊昇龍ら多くの弟弟子の胃袋を支えてきた。

当初は50歳を迎える20年に引退する見通しだったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で就職先の受け入れ態勢が整わず、先延ばしとなっていた。今後は、兵庫県内に2月中旬に開店する飲食店に携わるという。昭和、平成、令和と元号を3つもまたいだ大ベテランが、第2の人生でも華を咲かせる。