大関経験者の東幕下4枚目朝乃山(28=高砂)が、先場所幕下全勝優勝の西幕下3枚目大成龍(29=木瀬)を寄り切りで破って白星発進した。立ち合いで右を差して、左上手を取って相手の動きを食い止めた。左上手投げは決まらなかったが、上体が起きた相手を寄り切った。「体が緊張でかたかった。もっとリラックスして。右四つになった時に強引な投げは反省です」と勝っても引き締めた。

東幕下15枚目で臨み、7戦全勝なら十両復帰が確実となった9月の秋場所は、6番相撲で負けて6勝1敗で終えた。6場所連続出場停止処分明け2場所目で、最速での十両復帰がかなわずに「引退」の二文字がよぎったが、周囲の声やこれまでの応援の期待に応えようと奮起。来年1月の初場所でこそ、十両で迎えられるようにと稽古に励んできた。「先場所のあの1敗があったからこそ今後の相撲人生につながる。将来『あの1敗があったからこそ』と言えるようにしたい」と話した。

幕下上位で臨む今場所は、関取経験者などの実力者との対戦が続く。この日対戦した相手も十両経験者。「1日一番自分の相撲を取りきりたい」と十両復帰に向けて自身の相撲に集中する。