大相撲の元関脇でタレントの豊ノ島(40)が10月26日、都内のホールミクサでトークイベント「豊ノ島の部屋」の第3回を開催した。テーマは「観戦力が上がる!相撲の見方」と題し、イベント初のゲストである花田虎上さんと相撲の技術について深堀トークを繰り広げた。

 珍しく豊ノ島が緊張の面持ちだった。花田さんを呼び込むと「子供の頃からの憧れなんで…」と第66代横綱若乃花と意識してしまい直立不動に。花田さんから「なんで緊張してんのよ。緊張してるふりなんじゃないの?」とほぐしてもらい、笑みがこぼれた。

 のっけから横綱のトークが全開だった。若かりし頃の若乃花秘蔵写真がスクリーンに映し出されると当時の知られざるエピソードを披露。入門後に二子山部屋の自宅階から大部屋に移った際には「誰も話しかけてもらえなかった。それまでかわいがってもらっていたお弟子さんが、下に降りた瞬間にガラッと変わった。兄弟子になる。ニコニコっと話しかけてくれていた人が、話しかけてくれない。厳しい世界でした」と回想した。当時の張りつめた空気の部屋の状況に会場は真剣に聞き入った。

 開始15分を過ぎ、若貴フィーバーの頃の話をまるでファンのように聞く豊ノ島がおずおずと切り出した。「なんとお呼びすればいいですかね?」。花田さんは「なんでもいいよ」と返し、様々な名前が出たが「若さん」に決定した。

 会場の空気がほっこりとしたところでテーマに突入。相撲の技術を深堀する今回は、業師・若乃花の理論がさく裂した。形の話から、若乃花が得意としたおっつけの話になると豊ノ島を相手に実演解説。腕を決めて腰から押していくという動作に豊ノ島が思わず浮くように後退。会場が大いに沸いた。

 おっつけを受けた豊ノ島は「おっつけられた…」と満面の笑み。「関節を決められているから、腰をぽんっと当てられるだけで体が浮いてしまう」と横綱の技術が詰まった得意技に舌を巻いた。

 立ち合いの作戦についての話題になると、当時待ったが多かった理由を豊ノ島が追求。罰金制度が存在した中で、お金を払ってまで、なぜ待ったをかけていたのかを聞き出した。

 その他、ここでしか聞けない「現役時代にはライバルには教えなかったこと」などトップシークレットな技術もたっぷり語り尽くし相撲ファンの「知りたい!」に応える内容となった。

 この日はオンラインでも同時配信し、質問も募集。X(旧Twitter)で「#豊ノ島の部屋」をつけた投稿からピックアップして、質疑応答が進んでいった。

 配信が約1時間10分で終了すると、会場のお客さん限定のさらに密度の濃い「質疑応答」へ突入。その後は豪華プレゼントが当たるじゃんけん大会が行われた。ここでも花田さんから、現役時代に作られた凧や名前入りタオルなど超貴重グッズが用意され、勝ち抜いたお客さんがゲットした。熱気あふれるまま第3回「豊ノ島の部屋」は終了した。最後は恒例となった1人1人のお客さんと2ショット撮影を行い、笑顔で見送った。

 大好評の豊ノ島の部屋は第4回の開催が12月14日(木)に決定。ゲストには元NHKアナウンサーの藤井康生さんを迎えて他では聞けない密度の濃いトークを繰り広げる予定だ。