大関大の里(24=二所ノ関)が、本割、優勝決定戦と連勝し、3度目の優勝を飾った。本割では琴桜との大関対決を寄り切り、決定戦は12勝3敗で並んだ前頭高安を送り出し。3場所目を迎えた大関としては初優勝で、次の夏場所(5月11日初日、東京・両国国技館)で2場所連続優勝、またはそれに準ずる成績を残せば「第75代横綱」に昇進の見通しとなった。幕内初優勝、大関昇進と最速記録を塗り替えてきた大器が、史上最速の所要13場所での横綱昇進を目指す。

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スケールの大きな相撲とは対照的な一面が、大の里にはある。自らの性格を分析し「中学から寮生活だったので『この人は何を考えているんだろう』『どうすれば怒られないか』と、人の目を気にしながら生きてきた。だから目を見れば、その人が何を考えているのか、何を求めているのか分かる」と、語ったことがあった。豪快な取り口と、相手の作戦を見抜こうと努める観察力。両者がかみ合った時、14日目の大栄翔戦のような完勝が生まれた。

ただ繊細な性格は、痛恨の黒星を喫した際など、立ち直るのに時間がかかることも多かった。新大関で臨んだ昨年九州場所では、10日目以降に2度も連敗。先場所は初日黒星の後、4日目から連敗で一時は2勝3敗と黒星が先行した。精神面が影響していると感じた父中村知幸さんは、2月下旬に大の里が石川・津幡町の実家に帰省、1泊した際に語った。「人は急に強くも、弱くもならない」。

知幸さんは「連敗しても気にするな、という意味だった」と、落ち込んだ時の支えになる言葉として贈った。ただ、同時期に大の里は師匠から「お前の貯金は尽きている」と、アマチュア横綱のプライドを捨てて地道な稽古を求められていた。知幸さんは「急に強くならない、という方でも効果があったのかな」と、日々の鍛錬の重要性に気付いた様子を明かした。人の顔色をうかがうのは、勝負勘につながり、繊細な性格はこの日の高安戦のように、その一番にかける各力士の思いを受け止める責任感につながった。すでに大関という看板力士を務めているが、さらに重い「横綱」の看板を背負う下地はでき上がっている。【高田文太】