東前頭筆頭の藤ノ川(21=伊勢ノ海)が、横綱大の里(26=二所ノ関)を突き落としで破った。春場所に続く大の里撃破で、横綱戦は不戦勝を含めて4戦4勝。横綱初挑戦での金星獲得から横綱戦3連勝は、1984年秋、九州場所の小錦以来42年ぶりの快挙となった。結びの一番の懸賞は53本を数え“横綱キラー”が序盤の土俵で存在感を放ち、館内を大きく沸かせた。
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座布団が舞った。横綱を破った藤ノ川の目の前にも飛んできた。「飛ぶのは良くないんですけど」と苦笑いしながらも、「めっちゃうれしいですよ」と表情を崩した。春場所で2横綱を破った時と同じように、館内は大きなどよめきに包まれた。
横綱の当たりを受けながら、最後まで体が反応した。「あの立ち合いは頭になかった訳ではないですけど、動きながらバシッと当たれました」と振り返った。両手で当たってきた大の里に押し込まれ、右をのぞかせて出てこられた。それでも土俵際で回り込みながらいなし、突き落とした。大の里は足が流れて横転。「最後は無理やりでしたけど」としながらも、「体が動いて良かったです」と納得。きわどい勝負にも「体が返ったのが見えたので」と冷静だった。
大の里とは春場所3日目以来の対戦。その時も白星を挙げており、再び横綱を退けた。春場所4日目には豊昇龍も破り、2日連続で金星を獲得。夏場所2日目は豊昇龍から不戦勝を得ており、この日の大の里戦を含め、横綱戦は4戦4勝。上位戦でも物おじしない勝負強さが際立つ。
春場所では“親孝行”の懸賞でも話題になった。大の里戦で獲得した懸賞金をすべて父の甲山親方(元幕内大碇)に渡し、翌日の豊昇龍戦でも32本を手にした。今回は名古屋の結びで53本。本数を聞くと「マジっすか! 素晴らしいですね」とにんまりした。
横綱相手にまた結果を残しても、見据えるのは場所全体だ。まだ2日目。「まずは勝ち越し目指して頑張ります」。それでも3日目に待っているのは同じく横綱の豊昇龍戦。“横綱キラー”は連日の大仕事を狙う。【山田遼太郎】

