NGT48は、速報1位の荻野由佳(18)がグループ最高の5位に入り、昨年の95位から神セブン入りする大躍進を果たした。最後の総選挙となったキャプテン北原里英(25)も自己最高の10位、速報5位の本間日陽(17)も13位で、3人が選抜メンバー入り。さらに、中井りか(19)高倉萌香(16)がアンダーガールズ入りするなど、ランクイン圏内の80位以内に10人が入った。

 荻野は名前を呼ばれるとうずくまり、メンバーにもみくちゃにされた。涙は絶えずこぼれ落ちたが、しっかり前を向き、思いを語った。「憧れていた総選挙で、こんなにすてきな順位をいただけるとは思ってもいなくて、夢のようです。応援してくれるみなさんがいてくれて本当によかった。私をアイドルにしてくれてありがとうございました」。

 キャッチコピーは「何があってもへこたれない」。まさにその精神が実を結んだ。12歳だった11年にAKB48の13期生オーディションに落選。その後14、15期にも落選する間も、他事務所のオーディションを10回以上受けた。諦めない気持ちが報われたのは、バイトAKBを経て臨んだ15年5月の第2回AKB48グループドラフト会議。現役の先輩メンバーが指名に関わるイベントで、北原と柏木由紀(25)の目に留まった。柏木は「AKBっぽくはないけど、小松菜奈さんのようなオーラがあって、個性的なかわいさがあった」。北原と意見は合致し、転んでも立ち上がり続けた少女の運命を変えた。

 そんな荻野の姿を秋元康氏は「まさにAKBそのもの。生き方や価値観が共鳴されるのがAKBだと思う」とうなる。秋元氏がメンバーをグループになぞらえるのは、OGで初代総監督の高橋みなみ(26)以来だ。そんな高橋からは13日に「努力は必ず報われるか、それはおぎゆかが証明してみせて」とメッセージをもらった。「私は落ちこぼれでした。努力は必ず報われる。そんなのうそに決まってる。そうずっと思っていました。でも、今、証明できていますか?」。涙を流しながら訴えるその姿で、荻野が新たな伝説をつくった。