主演映画「ばあばは、だいじょうぶ」(ジャッキー・ウー監督、19年春公開)で「ミラノ国際映画祭2018」外国映画最優秀主演男優賞を史上最年少受賞した寺田心(10)が12日、都内で、ジャッキー監督とともに報告会見に出席した。

ちょうネクタイ姿で登場した寺田は「外国で映画が上映されることだけしか聞いていなかったので、すごく驚きました」と話した。ジャッキー監督は「どうなるか分からなかったので、本人にはノミネートされることも言ってなかった。だからノミネートだけで無言になっていました。その辺はすごくライブで感じたと思います」と話した。

受賞報告を誰にしたいかを聞かれ、「映画の中でばあば役の富士真奈美さんと、本当のおばあちゃんと、僕をいつも応援してくださる方々です」と10歳とは思えない完璧な返答だった。

イタリアには実母も同行した。「母はずっと泣いてました。(受賞を知らせた)おばあちゃんも『よかったね。感謝の気持ちだね』と泣いてました」と振り返った。関係者から「心君も泣いてたよね」と指摘されると、「泣いてましたね」と照れ笑いした。

ジャッキー監督は「(映画祭)委員会の委員長が『長い歴史で全員がスタンディングオベーションしたのは心君が初めて。それを見てびっくりした』と言っていた」と告白した。

寺田は約100人のオーディションから選出された。ジャッキー監督は「初日から役者としてのリスペクトができた。演技指導をすると、それ以上のものをすぐに返してくる。この言葉は使いたくないけど『天才』と感じた」と絶賛した。

同作はベストセラーとなった絵本が原作。認知症を発症し、行方不明になった祖母と孫の交流を描いた物語。ジャッキー監督は「この絵本に出会えたことに感謝したい」と話した。