映画「舟を編む」などで知られる石井裕也監督(35)の新作「町田くんの世界」(6月7日公開)に、1000人超のオーディションで新人の細田佳央太(かなた=17)関水渚(20)が抜てきされたことが21日、分かった。

原作は安藤ゆき氏の少女漫画。運動も勉強も苦手だがなぜか周囲に愛される高校生の町田と、同級生の奈々を描いた物語で、15~18年に「別冊マーガレット」で連載された。

石井監督は、偶発的なおもしろさがあると狙って新人の抜てきを決めた。細田について同監督は「1人だけ異彩を放っていて、作品に人生をささげられる人」と絶賛。関水については、製作側が「とてつもない伸びしろを感じた」と起用理由を語った。

ほかに岩田剛典、高畑充希、前田敦子、太賀、池松壮亮、戸田恵梨香、佐藤浩市、北村有起哉、松嶋菜々子といった主演級の俳優が出演する。昨年7月から1カ月半撮影が行われ、石井監督は「最高のキャストたちのそれぞれの相乗効果があった」と手応えを語っている。

細田は「心配や不安、緊張もありました。でも楽しいことの連続で芝居が楽しかった」、関水は「生きてきた中で一番悩み、苦しみました。でも今までで一番充実していて楽しく幸せでした」とコメントした。

また、石井監督にとって、少女漫画原作の映画を手掛けるのは初めて。「人を好きになる気持ちや愛は、どう考えても人間にとって必要なこと。今本当にやるべき題材だと感じ、少女漫画原作の力に僕も乗っかりたいと思いました」と話している。