小型ヨットで米国西海岸から太平洋横断に挑戦した全盲セーラー、岩本光弘さん(52)が20日午前9時すぎ、ゴールの福島県いわき市の小名浜港に到着した。13年に、ともに横断に挑戦したが浸水で断念した当時の相棒、元読売テレビのキャスター辛坊治郎氏(63)が進行する同局「ウェークアップ!ぷらす」の中で、生中継された。
「ヒロ、ちょっとやせたな」「元気? ひげがすごい似合ってるな」
辛坊氏が、着岸したばかりの岩本さんに呼びかけた。辛坊氏によると、前日19日に、到着の可能性があったため、福島まで会いに行ったが、天候の都合で合わなかったという。
岩本さんは、13年に辛坊氏とともに、太平洋横断に挑戦したが、クジラとの接触が原因とみられる浸水で遭難し、救出。今年2月下旬に米サンディエゴを出港し、健常者の米国人男性とペアで全長約12メートルの「ドリームウィーバー号」を操作して無寄港で約1万キロを航行してきた。
辛坊氏は、再挑戦で成功させた岩本さんに「50何日というより6年(越し悲願実現)だもんね」とねぎらい、岩本さんは「あきらめないで、夢を実現させられた。世界一の幸せ者です」と返した。
さらに、岩本さんは、13年の失敗を引き合いに「今回はクジラにぶつかりませんでした。クジラさん、ありがとう」。辛坊氏も「海の神様ありがとう」と応じた。
岩本さんらによると、晴眼者(目の見える人)が風の向きなど状況を伝えながら、全盲の人がヨットのかじと帆を操る「ブラインドセーリング」での無寄港太平洋横断は世界初だという。
寄港後には、岩本さんが「今度は辛坊さんの番、頑張ってください」とエール。これに、辛坊氏は「僕は失敗した。なかなかつらいものがあります」などと答えた。番組の最終盤には、あらためて共演者から再挑戦の意向を問われたが、辛坊氏は「私の夢も今日、実現したかな」と感無量の様子で語った。
辛坊氏は3月末で、スタート時から9年勤めた同局の情報生番組「朝生ワイド す・またん!」(月~金曜、午前5時20分)への全曜日に出演を終え、3月29日に取材に応対。その際、太平洋横断については「4月下旬には(岩本さんが)福島へ入るかな。それを見届けたら、将来的には…」と、再挑戦も視野にあることをにおわせていた。




