コロナ禍に苦しむライブ関係者にエールを送る「JAPAN LIVE YELL Project」のエール・アンバサダーに歌手松任谷由実(66)が就任し24日、都内で会見を行った。同プロジェクトは、文化庁や俳優、歌手、演奏家らが会員となる日本芸能実演家団体協議会などが連携し、もう1度ライブができる環境を取り戻す取り組みを行っている。

エール・アンバサダーの松任谷の楽曲「春よ、来い」を子供たちが歌いつなぐ応援ムービー「ライブのリレー」がこの日から、同プロジェクトの公式サイトやYouTubeで公開された。

松任谷は「オンラインのライブの利点もあるけど、ライブには多くのスタッフが携わっており、無限の選択肢がある。作るスタッフの情熱がステージを左右するし、ライブには目に見えるものだけではない、それ以上のパワーがある」と訴えた。

コロナ禍の中、松任谷も恐怖におびえ、すべてのことにやる気をなくしたという。だが、夏前ごろから創作意欲がわき、未曽有の年に何かを記録したいという欲求がわいてきて、39作目となる新アルバム「深海の街」(12月1日発売)を完成させた。

松任谷は「私の母がこの春に100歳になった。でも施設にいるので会いたいけど会えない。残酷さを感じたが、母の生まれた100年前を調べると、今年と驚くほど似ていた。スペイン風邪がはやり、五輪も閑散としていたらしい。それでできたのが新アルバムのオープニング曲『1920』です。母はエンタメ好きで、私に英才教育をほどこしてくれた。今の私のキャリアがあっても、音楽的成長を示すんだという意欲を感じていただければ」と話した。

同プロジェクトは、松任谷も参加している「みんなの応援村」とも連携するという。この日の会見には応援村の実行委員長を務める鈴木康友浜松市長と、芸団協の会長を務める能楽師の野村萬も出席した。