フジテレビが「三度目の正直」を狙って、来年4月から平日午後の報道、情報系帯番組をスタートさせる方向になったことが19日、分かった。2012年4月、13年4月と午後2時台、3時台に立ち上げるも、日本テレビ系「情報ライブ

 ミヤネ屋」(月~金曜、午後1時55分)との視聴率争いに完敗して打ち切り。3度目の成否は、数字の取れる男性MCを起用できるかが、鍵になりそうだ。

 複数の放送関係者によると、フジテレビは亀山千広社長の意向に従い、「三度目の正直」を狙った準備が進んでいる。

 今年7月11日、亀山社長は定例社長会見で「ここ1年、午後に事件がいっぱいある。どことは言えませんが、ある局の総取りになってしまっている。ここで打って出ないといけない」と語った。時期については明言をさけたが、同局関係者も「社長は『ミヤネ屋』に脅威を感じている。報道、情報系の番組を検討している」と明かした。

 トップが公の場で表明したことから、「ミヤネ屋」対策が本格的にスタートした。しかし、「ミヤネ屋」は、関東地区午後2時台の同時間帯視聴率179週連続1位(ビデオリサーチ調べ)という揺るぎない地位を築いている。この記録については、放送業界で「ギネスにも申請可能なとんでもないもの」とされる。現実に記録が続いている間、フジテレビは「知りたがり!」(12年4月~13年3月)、「アゲるテレビ」(13年4月~同年9月)を放送したが、いずれも平均視聴率2%前後と苦戦。10%前後のミヤネ屋には太刀打ちできなかった。

 原因については、さまざまな見方があるが、「知りたがり!」で住吉美紀アナウンサー、「アゲるテレビ」で西尾由佳理アナと女性MCが注目された中、男性MCは局アナで、「ミヤネ屋」の宮根誠司アナに対抗できる「数字の取れる男性MC」を起用できなかったことも指摘されている。ただ、硬軟自在で笑いも取れ、幅広く視聴者に支持される宮根アナのような存在は希少。それでも、対抗するために誰を起用するのか…。局内外から、元NHKのジャーナリスト池上彰氏、昨秋までTBS「朝ズバッ!」のMCだったみのもんたの名前が浮上しているが、「もっと、新鮮な人がいい」との声もある。情報番組の経験者によると、「番組を4月にスタートさせるには、年内に骨子を固める必要がある」といい、注目の人事は近く決まる可能性もある。