<ニッカン・つりラボ>

 大ダイのチャンス!

 関東周辺の桜は散ったが、この時期のマダイは<桜ダイ>といい、春の乗っ込み期を迎え、コマセ釣りのマダイ(コマセダイ)も大型が狙える絶好機だ。それを裏付けるように、各地で5キロ超の大ダイもヒットしている。一方で、乗っ込みダイは警戒心が強く気難しい展開になることもある。先日、横浜・金沢八景の「太田屋」で行われたコマセダイの釣り教室では<タナ取り><コマセワーク>が攻略のポイントになった。

 今回の釣り教室は、結論からいうと、マダイは極端に食い渋った。参加者は8人で、乗合の4人と同乗して、久里浜沖でサオを出したが、左舷ミヨシ(船首)2番目にいたベテランの斉藤秀夫さん(65=東京都渋谷区)が釣り上げた1・3キロが唯一のマダイだ。

 海はナギだが、潮に汚れが目立つ。太田船長によれば、冬から夏に移り変わっていくときに出る現象という。これが影響したのか、教室の講師を務めた加藤雄二さん(57=日刊釣りペン・クラブ)は「乗っ込みダイは警戒心が強く、それがもろに出た」と分析する。

 釣り方は、太田一也船長(46)の指示ダナに従い、コマセを振りだしながらタナに合わせ、置きザオでアタリを待つ。斉藤さんは、コマセは余計に出ないよう調整したタイ応が潮下にいるマダイを誘ったらしい。そのマダイはおなかがプックリで乗っ込み状態を示し「マダイもこの潮に慣れてくるはずだし、潮温が上がればチャンス」と加藤さんは結ぶ。

 「太田屋」を含める計7地区で現在、「TOKYO

 BAYマダイダービー」を6月1日まで開催中だ。3匹の総重量が審査タイ象で、地区はほかに内房・富浦(千葉)「第三共栄丸」と同勝山「宝生(ほうせい)丸」、同保田「村井丸」、川崎「つり幸」、横須賀・久里浜(神奈川)「大正丸」、三浦・毘沙門「新店(しんみせ)丸」で、これまでに「第三共栄丸」「大正丸」「新店丸」で5~6キロクラスの大ダイが出ている。1回のエントリーで期間中は何度でもチャレンジOKだから、記録更新は十分可能だ。【長瀬川忠信】<加藤さんのアドバイス>

 ◆タナ取り

 船長の指示ダナ厳守で、1人でも下に位置させると<タナぼけ>して、魚は食いつかない。まず、指示ダナより5メートル下まで落とし込み、コマセを振りだす。乗っ込みダイに警戒心を与えないように、ビシ(コマセカゴ)はなるべく早くタナへ運ぶことが大切だが、ハリスがなじむ前に動かすと片天ビンなどに絡む<てまえマツリ>に-。落とし込んでから2分前後待ってコマセを振りだし、タナに合わせ、エサ取りが多いときは状況を読みながら上に移す。

 ◆コマセワーク

 コマセは、魚を誘い寄せるだけでなく、<浮かせて釣る>のも目的。警戒心の強い乗っ込みダイは船から離れた潮下にいて、流れてきたエサを食っていると考えられるが、コマセを多く振りだすと大半がエサ取りに食われてしまい、潮下まで届くものは少ない。要は、余分なエサはまかず長めのインターバルで構えるのがポイント。また、潮の変わり目や潮温が少しでも上がると食いだすことがあり、付けエサが残るようになれば、マダイが食いつく前兆。そのときにタナにエサを維持しておくことが重要で、基本的にコマセは途切れないように<パラパラ…ポロポロ出る>のが理想。

 ▼船

 日刊スポーツ新聞社指定「太田屋」【電話】045・782・4657。マダイの乗合は午前7時20分出船で付けエサ&コマセと氷付き1万500円、女性と小・中学生は5200円。ほかにライトタックル(LT)のアジ釣り午前&午後便とルアー五目も出漁している。木曜日は定休。HP<http://www.otaya.net/>

 ▼交通

 電車は京浜急行線・金沢八景駅下車。送迎バスあり。車利用も含め詳細は要確認。

 ※「太田屋」では、次回のコマセダイ釣り教室を5月10日(土)に行う。当日午前6時30分までに集合で出船同7時20分、納竿(のうかん)午後2時の予定。実釣レッスンの後にマニュアル講習もあり。乗船料金だけで参加費無料。定員12人。詳細も含め申し込みは「太田屋」へ。