<2014年間大賞:船釣りブロック>

 2014年度年間大賞発表の大トリは、船釣りブロックです。日刊スポーツ新聞社指定・共栄会に所属する釣り宿計45地区で今年、最大&最多もしくは価値ある釣果をみた人に贈られるもので、その中から外房・小湊地区(千葉)で出た12キロのヒラマサにスポットを当て紹介しましょう。

 ◆ヒラマサ=12キロ

 前田一郎さん(63=千葉県君津市)、外房・小湊「鯛丸」9月27日

 こちらは読みが的中したことで大物と出会えた例になるだろうか。左舷のトモ2番目でサオを出した前田さんは最初、マダイ狙いでハリスは4号を使い、2キロ前後を2匹釣り上げた後、船長が釣り場を移動し入ったのが天津沖だ。

 データから「ここにはヒラマサがいる」と判断、ハリスを6号にチェンジ。指示ダナよりハリスの長さ分下まで落とし込み、コマセを振りだしながらタナへ運び、置きザオで待つと午前8時ごろだ。突然、ギャーッ!

 リールから道糸が勢いよく飛びだし、80メートルほど走ったところで止まった。ヒラマサと確信した前田さん、あとは「海の弾丸ライナー」の異名を持つ相手にバトルを展開。水深は27メートル前後と浅く、根に逃げ込まれないようにやりとりを続け、20分余りで取り込んだ。

 前田さんは、川釣りや磯釣りも含め、釣り歴40年のベテラン。ヒラマサも「ヒットした時にサオが海面に突き刺さる迫力がたまらない」という外房・勝浦のカモシ釣りで過去13キロの実績を持つ。いってみれば、知り尽くした相手だが、「今回の方がハリスが細い分、価値がある」と話し、「釣れても釣れなくてもストレス解消になるし、来年も同じようなサイズが釣れれば満足」と付け加えた。【長瀬川忠信】

 ◆現認・小湊「鯛丸」佐藤秀則船長(35)

 ヒラマサは、うちではもっとデカい記録もあるけど、今年は前田さんがゲットした後に10キロ超は10匹ぐらい釣れています。そういった意味で火付け役になった前田さんの獲物は「ヒラマサを活性化させてくれた」価値ある記録。浅く根ズレ要警戒の釣り場で取り込むなど前田さんの釣技は見事です。