<磯FISHING>

 寒グレシーズン本番を迎え、和歌山・田辺の磯間へ昨年12月27日、釣友の岡村吉郎さん(大阪市)と良型を狙って釣行した。黒田渡船(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の船で、沖磯の「カナトコ」へ渡礁。北西風の影響で仕掛けが底潮とは逆方向へ流れるため、2段ウキ仕掛けで攻略。納竿の午後4時までに2人で28~42センチのグレ7匹と30、36センチのサンバソウ2匹をゲット。寒グレの強烈な締め込みに加え、他魚の強引も楽しんだ。

 田辺・磯間の磯は荒磯といった雰囲気はないが、四季を通してさまざまな魚種に恵まれ、魚影が抜群に濃い。午前6時すぎ、沖磯の「カナトコ」へ渡礁。岡村さんと並んで南向きの船着きに釣座を構えた。

 足元に数杯まきエを打つと、水温が17・5度と高いためか、カワハギなどエサ取りの動きが活発だ。まずは15メートルほど沖の潮目を狙ってウキ下3ヒロにセットした仕掛けを投入。潮はほとんど動いていないが、北寄りの風でウキが左方向へ滑るように流される。

 そこでハリスにG4を打って仕掛けをなじませると、数投目、10メートルほど流し込んだ辺りでウキがスルスルッと海中へ吸い込まれた。合わせを入れ、シャープな引きを楽しみながら海面に浮かせたのは32センチの口太グレ。しかし、その後が続かず、本命の下り潮まで我慢の釣りが続いた。

 同10時ごろ、ようやく満潮から下り潮が流れ始めたものの、今度は北西の風にウキが押され、仕掛けが底潮とは逆の方向へ流されてしまう。そこで水中ウキを使った2段ウキに変更。

 するとこの仕掛けが効果を発揮した。ウキ滑りがなくなり、沖20メートルほどのシモリ手前を攻める。すると右隣の岡村さんがこの日一番のアタリでサオを曲げ、42センチをヒット。私もそのやりとりの最中に、サオにガツーンと強いアタリがきて38センチを取り込み、2人そろって良型ゲットにニンマリ。

 この後もポツリポツリと本命アタリをとらえて、28~37センチのグレ4匹と36センチのサンバソウ、40センチのアイゴを追加。他魚の引きも楽しみながら午後4時に納竿。2014年の釣りを締めくり、15年へ向け新たな気持ちの切り替えと、魚との巡り会いに期待感を募らせて磯を後にした。【日刊FPC・兵頭良弘】

 【今後の見通し】水温が17度と高く、エサ取りの動きも活発だが、磯間の磯群全体的に寒グレの魚影が濃く、どの磯からも40センチ超の良型が高確率で狙える。特にこの時期は大グソ、ビシャゴ、五郎、コイサンバ、大ジブなどが狙い目。さらに水温が16度を切ってくると、上の鼻や小島も期待できる。

 【問い合わせ】黒田渡船【電話】0739・25・1303。渡船料は沖磯4000円、湾内3500円。出船は平日が午前5時半(土曜、日曜、祝日は同4時半)、納竿は午後4時(要確認)。

 【交通】大阪からは阪和自動車道の南紀田辺ICを出て、稲成ランプの信号を右折。稲成町の信号を右折して国道42号を西へ。明洋の交差点を左折。橋を越えてすぐの新会津橋東詰の信号を右折。突き当たりを左折し磯間港へ。