<フィッシング・ルポ>

 昨年12月にスタートしている磯メジナ伊豆半島ダービーが、佳境に入ってきた。メジナの本格的な乗っ込みを前に40センチ超が連発。参加者も27日現在で54人に達し、盛り上がってきた。大瀬「倉の下」では、25日にダービー最大魚の46・4センチも飛び出しており、参加者のサオを握る手にさらに力が入りそうだ。会期は2月28日まで、今日30日を含めて残り30日となっている。

 25日にダービー最大魚が出た。大瀬「倉の下」からマタカ根に渡った滝久司さん(44=静岡市清水区)が46・4センチをゲットした。

 日曜しか休みの取れない滝さんにとって、何度も強風に釣りのチャンスを阻まれていた。25日はようやく穏やかな海に巡り合えて、今シーズン初めてメジナ釣りができた。

 しかし、午前6時半からサオを出して約4時間、何も反応がなかった。無風すぎて、波もなく、投入したウキが何度も足元まで戻ってきて、釣りにならなかった。

 途中、山本良一店主が船で巡回した際に「ダメならば、移動してみるかい?」と声を掛けられたが、「日曜でどこも人は入っているし、多分地合いがこのあとにくる…と思う」と思い、笑顔で首を横に振った。何もアタリがなく帰港した経験もあり、不安の塊だった。「いやぁ~、でも、移動しなくて良かった。山本店主の船が見えなくなったころからウキが忙しくなった」。30センチオーバーが次々に釣れ出した。

 46・4センチは正午ごろ、突然来た。ギュン、と強いアタリがきて、下に引っ張られた。大物であることは明白だった。慌てずに慎重に取り込んだ。クロダイから転向して13年、人生最大のメジナを手に入れた。

 ダービーでは27日現在で11位。「まだまだ、どうなるか。仕事も忙しいですが、また来てダービーの上位を狙いたい」と滝さんはニコニコ顔で答えた。【寺沢卓】

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 大瀬「倉の下」【電話】0558・65・0167。石廊崎「橋本屋」【電話】0558・65・0108。雲見「佐市丸」【電話】0558・45・0248。※出船時間、料金は要確認