愛媛、高知両県で震度6弱を観測した地震による負傷者は18日、両県と大分県で重傷2、軽傷10の計12人となった。高知県檮原町の松谷地区は倒木で一時孤立したが解消し、5世帯10人の無事が確認された。

愛媛で7人が軽傷。高知県宿毛市で70代女性2人が顔や足の骨を折るなどして重傷、40代男性1人が軽傷。大分では、大分市の70代女性と津久見市の80代男性が転倒するなどし軽傷を負った。

高知県宿毛市では住居損壊や電線が切れるなどの被害があった。最大11世帯23人が避難所に一時身を寄せた。JR四国は18日始発から予讃線の一部と予土線で運転を見合わせたが、19日始発から全線再開の見込み。

愛媛県大洲市では国道197号で落石が見つかり、一部通行止めに。同県愛南町でも、石垣の景観が有名な外泊地区の集落「石垣の里」で石垣の崩落が確認された。

文部科学省によると、愛媛、高知両県の小中学校や高校などでも窓ガラスの破損などが相次ぎ、15校が臨時休校した。国土交通省は両県で少なくとも35戸が断水したと発表した。

高知県の浜田省司知事は、人的被害の少なさや復旧作業の順調さを挙げ「最悪の状況は免れている」と説明。災害対策本部を解散した。

地震は17日夜に発生。震源地は豊後水道で、震源の深さは39キロ、地震の規模はマグニチュード(M)6・6と推定。気象庁はこの地震により、南海トラフ巨大地震発生の可能性が高まったとは言えないとした。

四国電力は、愛媛県の伊方原発3号機について、蒸気から取り除いた水分を集めるタンクで、水位を制御する系統に不具合があったと発表。地震の影響とみられる。発電機の出力が約2%低下しているが、他のプラント設備に異常はない。原子力規制委員会も安全上の問題はないとしている。(共同)